『Walk』58号


水戸芸術館発行の雑誌『WALK』の「渾身の一冊」、日記総力特集が出ました!目次は以下の通り。

浅井俊裕(水戸芸術館美術部門主学芸員)『梅々記』
池内 紀(独文学者/エッセイスト)『旅日記抄 東京篇』
円城 塔(小説家)『嫁とり日記』
大澤 遊(演出者)『仮名手本日記帳』
岡崎武志(書評家/古本ライター)『「けっきょく古本まみれの日々」日記』
小澤英実(評論家)『日記さんへ』
春日武彦精神科医)『畳の上の水練日記(寒中水泳版)』
桐山知也(演出家)『足を痛め、海を渡って、考えて、』
栗原裕一郎(評論家)『幡ヶ谷グラグラカカ日記』
鴻巣友季子(翻訳家)『日記とピアノと隣の女』
小西康陽(音楽家)『日記。正月休み。休み明け。』
小林十市(バレエダンサー/振付家/俳優)『「WALK」バージョン 茶のみ話デラックス!』
佐々木 敦(批評家)『三月の7日間』
津村記久子(小説家)『2009年の最初の方の諸問題』
林 哲夫(画家/エッセイスト)『三十年連用日記抄 2009 - 1995 - 1980』
平松洋子(フード・ジャーナリスト/エッセイスト)『春隣の日々』
快快(劇団)『【MAD】快快日記』
福永 信(小説家)『多摩センター日記』
藤井慎太郎(演劇評論家)『パリにいない日本人のパリ日記』
前園直樹(音楽家)『日記』
松本小四郎水戸芸術館演劇部門芸術監督)『日記を読む日記』
松本美枝子(写真家)『とんまな日々』
矢澤孝樹(水戸芸術館音楽部門主学芸員)『世界の片隅で日々を記す こうの史代のマンガ、あるいは生者と死者の日記』

ひとくちに日記といっても、さすが名うての書き手の方々、読み物としても楽しめるものばかり。タテ読みというか、同じ一日を様々な人がどう過ごしたか拾っていくのも面白いし、生活っていいなあ、と思わされました。だいたい1月から3月の日記が収録されていて、芥川賞受賞近辺の津村さんの日記もあり、涙無しには読めない福永さんの日記ありで盛りだくさん。しっかりした紙で、フルカラーというのか、寄稿者ごとに字体から行間の幅から段組からすべてデザインされて、どれもしっくりあっている。これでいつもと同じ600円は安すぎる。まさに渾身の一冊というにふさわしい、鬼気せまる厚さ/熱さ、雑誌というよりひとつの作品といってもいいぐらいです。これはまじで永久保存版。大手書店などにはあるそうですが、手に入りにくいかもしれませんので、通信販売ででもぜひぜひゲットしてください。こんな特集に寄稿できて嬉しかったなあ。ほんとうに嬉しい。栗原さんが書いている日記も合わせてどうぞ